2023 08.12
長野県 のろまん農場 に行ってきました
長野県の「のろまん農場」田中球太郎さんに桃栽培のお話しをお伺いしてきました。農場では、桃を約67品種生産されており、お父様の代から納得いく品種を少しずつ増やされています。
桃は冬の剪定が命
冬場の1月から3月頃までは桃の栽培にとって一番大事な剪定の作業があります。剪定が終われば、蕾のうちから蕾を落とす、摘蕾という作業を行います。
花粉がある品種とない品種を一緒に植えると、ハチなどが受粉をします。栽培を始めた頃は天候の影響を受けてしまい、不受精による落下もあったそうです。人工受粉をしたとしても、やはり天候に左右されてしまいます。花を咲かせる為には養分を沢山使いますので、花粉量を調整し、花が咲いたら、今度花を取って、人工受粉し摘果の作業へ。一気に花を落とし過ぎると、今度は木に負担がかかってしまい、核や種が割れてしまうため、3回程人の手で作業を続け、やっと小さな桃の実になるそうです。
厳しい自然のサイクルの中で
少しずつ時間と手間暇をかけることにより、やっと袋をかけて、収穫の2週間程前に袋を外し、反射シートを下に敷いて、着色させて、収穫を行います。
また、今年は霜が降りてしまい、花は開花したものの、めしべが霜で焼かれ結実せず、改めて受粉のやり方を見直すきっかけにもなったそうです。
農薬を一切使わずに育てようと思うと、病気や虫がついてしまいます。ですが、それは果実達が子孫繁栄のために食べてもらい、種を落としてもらう必要があるため、自然のサイクルには逆らえません。
食べる人に、一緒に育てている気持ちになってもらえるように
球太郎さんはこう語ります。
一つの値段を安ければ安く販売したら良い。という事だけでは、農業や食に対して価値というものが益々失われていきます。生産現場でどれだけの手間がかかっているかを発信していく必要があると思う。
本格的な桃栽培に携わる前に、約2年間全国を車などを使って色々な場所を巡り、畜産・林業・漁業を経験しました。漁業では、ただ食べる。という事だけではなく、実際に海の家にて長期間作業をし、辛く思う体験をすることがありました。畜産でも朝が早く、漁業同様辛いことも多く、経験してみてはじめて、食に対しての思いが変化しました。生産者の方や、漁師さんに対して強く芽生えた思いを発信していかないといけないと改めて感じます。
なぜなら、自分たちの栽培に対する思いや、桃を通して一緒に育てている気持ちを感じて欲しいからです。
幼い頃から母親がブログを書いており、お客様からの電話に出た際「ああ、こんなに大きくなったのね」と気さくに話しかけて下さり、話に夢中になりすぎて大事なことを聞かぬまま、電話を切ってしまうこともありました(笑) 普段の対話からでは知り合えないことも、発信することによって家族のストーリーを、「桃」と一緒に成長を感じ取ってくれているのではないでしょうか。
田中さんのお子様も側に居られ、畑の中を走り回って楽しそうに過ごされていました。
さんらいふでは、全国の想いもった生産者さんから、化学肥料・農薬を一切使用しない野菜、添加物を使わない加工品、環境に配慮した生活雑貨をお届けします。