2025 07.04

他人事にしてはならない声

他人事にしてはならない声

「この地域には、自然があり、食べ物も美味しい。
―――ただ、町がどんどん衰退しているんだ」

最近、全国を旅していると、こんな風に同じことをよく耳にする。

若者は、学業のために故郷を離れたまま、都市で就職。
後継者がいない町や村は、少しずつかつての活気を失い
生み出す力よりも失われるスピードの方が勝っているのが現実だ。

「本当は、力強い旗振り役が必要なんだよねっ」

そう言いながら、苦笑いをする人々。

他人事にしてはならない声

田舎には、日本のかけがえのない財産がある。
それは、悠久の自然だ。

しかし、それも活用する手立てを講じなければ、やがては静かに消えゆく運命を辿ることだろう。明らかなのは、「他人事」のままでは、何も生まれないということだ。

お節介かもしれない。だが私はいつも、そうした憂いを抱く声に耳を澄ませ、
心模様に問いかけながら
陰日向がない取り組みで、少しでも力になりたいと願っている。
困った時は、お互い様なのだから。

旅の途中 長野県安曇野市
文・写真 太郎社長(中村太郎)