2024 11.12
自然との共生
「えっ、この後、新潟に行くんですか!?中村さんのことだからまたどこかへ放浪するんじゃないの!って、家族で話をしていたんです!」
旅の途中で訪問した長野県松川町の生産者との一コマ。
林檎・梨・洋梨・桃など多品目栽培で、長年、私たちの食卓に季節を届けてくれている。
この地は、昔から果樹栽培が盛んで、見渡す限りの色とりどりな風景が自慢だ。
彼は、親が数十年間、守りつづけてきた農園を管理している。
「農地が広すぎて、猫の手を借りたいぐらいですよ!」
そんな言葉から、忙しさの度合いがうかがえた。
近年、酷暑の影響でカメムシによる被害が甚大なようだ。
外皮が薄い果物の表面にカメムシが穴を開け、商品として出荷できずに困っているという。これは松川町に限ったことではなく、全国各地で多発している事象だ。
「自然との共生」とはいうものの、現実世界はそう容易くはない。
林檎に誘惑されたカメムシ、だがそれは生きるための行動である。同じように林檎を食べた“アダムとイブ”とは行動原理が違う。 カメムシとその収穫を待ち焦がれる私たち消費者の攻防は残念ながら、いましばらくつづきそうだ。
旅の途中 長野県松川町
文・写真 太郎社長(中村太郎)