和歌山ポークTONTON ローススライス

世界遺産を抱く　和歌山県かつらぎ町

高野山の麓に鎮座する世界遺産・丹生都比売神社。高野山の地主神として、かつらぎ町天野の地に祀られているこの場所に、和歌山ポークTONTONさんはあります。田園と果樹畑が点在するこの地で、1982年より全国屈指のこだわりで養豚をスタート。ちなみに、屋号でもある「TONTON」とは、豚のことではなく「肩たたき」の音を意味しています。肩を叩いてあげるように優しく思いやる心を大切にしたいという願いが込められています。

こだわり過ぎは、消費者への責任

こだわりのハムやソーセージを製造するTONTONさんの代名詞は、「抗生物質・ホルモン剤の一切不使用」「自家配合飼料の使用」「開放型の”踏み込み豚舎”」です。全国では、たくさんのこだわりという言葉を耳にしますが、生き物を相手に生業を維持することは、とても難しい。それは、24時間365日、しっかり動物に寄り添うことが必要になるからです。

外国飼料に頼らない安全な自家配合飼料

豚の体は、人間同様、食べ物から育まれます。そのため、何か与えるかで豚の健康と肉質に影響を与えます。ただ世の中では、効率や儲け優先されるため、短い飼育期間を経て早期の出荷を目指すケースがとても多いのが現状です。そのため、餌には添加物が追加されています。

ただTONTONさんでは、倫理的な観点からも豚を大切にしてるため、大豆・ビタミン・ミネラル・カロリー・アミノ酸などのバランスを考えた独自の飼料を作っています。豚の年齢・体重なども考慮した上で、良い健康状態を維持できるように食べ物の工夫をしています。遺伝子組み換えなどの心配がある外国飼料ではなく、目の見える地域のものを飼料として使用することで、安心安全に注力しています。

自然の摂理に従った、健康な体創り

一般的な養豚では、餌・管理費の削減や早期商品化という効率を優先するために、”抗生物質やホルモン剤”を使用します。また、飼育用の隔離スペースでは、衛生面でも問題があることから病気が蔓延するための予防的措置としての意味もあります。ただ、薬漬けにしてから出荷する方法では、アニマルウェルフェアーの観点からも適切ではありません。人間にも、豚ににも優しい飼育が次の命を繋ぐからです。

持続可能な衛生管理は、豚の健康ために

TONTONさんのもう一つの特徴は、「踏み込み式豚舎」と呼ばれる豚舎です。
堆肥とおが粉などを敷き詰めた床で豚を飼う踏み込み式豚舎は、豚が生活する地面がコンクリートではなく、厚さ30cmに堆肥が敷き詰められます。そうすることで、フンや尿は堆肥に吸収され、豚が歩き回ることで床が発酵するので、豚にとって居心地が良いフカフカの”自然の絨毯”が出来上がります。微生物がたくさん集まっていることから、「生きた床」とも言えます。また使い終わった床は、完熟堆肥として畑で再利用されます。このように、豚のことを思い、ストレスを掛けない環境を丁寧に作っている生産者は、全国探してもかなり少ないです。そのように手間を掛ける方法を選ぶ背景には、生きとし生けるものへの感謝の念を抱いているからに他ならない。