2025 09.01
500km、静かな叫びを聞く旅

先日、大分から長崎県平戸、佐賀県太良町、長崎県雲仙を経て、熊本県天草へと約500キロの旅に出かけた。
胸を弾ませながら握ったハンドルの先に待っていたのは、どこも似たような現実だった。
「この田舎には、“澄んだ空気や水、美味しい食べもの”、蛍だっている。ただ人がいない。
それにともなって、耕作放棄地も増えつづけている」
訪れた先々で、異口同音に語られるこの言葉が、胸の奥に残った。
それは、いま全国のいたるところで直面している現実に他ならない。

農山漁村――すなわち「田舎」は、ある意味で日本の食糧倉庫である。
この国を支えているのは、まさにこうした地域だと言っても過言ではない。
誰かが、何かを変えなければ、行く末は決して明るくないだろう。
ただし、その「何か」とは、大きな制度改革や技術革新だけではない。
物事の捉え方ひとつが、状況を変える起点になると感じている。
さん・らいふは、いまできることを模索しながら確かな一歩を踏み出していきたい。
よりよい未来をあきらめないために。
旅の途中 大分県宇佐市 さとう有機農園
文・写真 太郎社長(中村太郎)