山ぶどう系品種「ワイングランド」を使用したストレースジュース
わたしたちのぶどうジュースの物語

日本の有機果樹栽培を牽引する澤登家
”ワイングランド”
そう聞いて、ピンとくる方は、なかなかの通かもしれない。これは爽やかで、柔らかい風味が人気の「山ぶどう」系品種の名前。世の中には、たくさんの素敵なジュースがあるが、わたしたちが自信を持って今回ご紹介するものは、有機果樹栽培の第一人者である澤登家のワイングランドのみを使用したぶどうストレースジュースだ。また現在、自然派ワイン業界を中心に人気の山葡萄だが、その育種においてもパイオニアである彼らの物語は、約70年前にさかのぼる。

「あなたたちが農薬を使用しないから、我々の園に害虫が寄ってくる」
この心ない言葉は、他者から澤登家に投げかけられたスタート当初のものだ。彼らが化学農薬・化学肥料を一切使用せずに栽培をスタートさせた1950年代後半には、いまでこそ認知されている”オーガニック”という言葉は存在しなかった。そのため、彼らの取り組みを理解するには、時間が必要な時代であったのだ。

先代の澤登芳、晴雄氏のあとを継ぐのは、澤登 芳英さんと早苗さんだ。日本全国の果樹農家が後継者不足、技術の継承、販路維持などたくさんの障壁に頭を抱えている昨今の現状を考えると、お二人の歩む足跡には、敬意を払いたい。もちろん、近年の酷暑や農業資材の高騰など看過できない状況は、彼らも同じである。世界のスタンダードが有機農産物へとシフトする中で、その伝道師としての立場と生業の狭間で揺れる心情を察するのは容易ではない。

限りなく手を加えない自然栽培
近年、自然派ワイン業界で脚光をあびている山葡萄。そんな山葡萄を約70年前から育種し続けている第一人者として、彼らが世に送り出した交配品種は数知れない。日本の在来種である山葡萄をそのまま加工した場合、野性的な個性を抱く反面、酸味や渋みが強いために食味するには少々難がある。そのため、味の向上だけでなく、生産性も考慮した卓越した育種をすることで、広く流通させることが可能になる。
彼らが大切にする農法は、限りなく自然とのハーモニーが宿っている。雑草草生・不耕起栽培を大切にしながら、除草剤・殺虫剤・殺菌剤・化学肥料、そして、堆肥・有機肥料さえも一切使用しないのだ。限りなくシンプル、限りなく自然な農法。長年培った園内では、動植物が楽しそうにそのバランスを保っている。また、先代が考案したサイドレスハウスでは、空気を対流させることで病気を減らすなどの工夫が凝らされている。

たった1%未満の意味。
日本の有機商品の流通量は、全体に占める割合では1%未満である。米国・欧米での伸長率や規模と比較すると、目の前がかすむほどの割合でしかない。2022年時点において、日本2240億円、世界(※主に、米国・ヨーロッパ)18.7兆円、が農水省によって公表されている。世界のスタンダードとほど遠い現状には、さまざまな要因が考えられる。生産現場での手間やコストの問題、消費者への啓蒙活動の不足またはその認識の低さなどが有機商品の購入を阻害していると予想される。また、食やその流通に対しての理解度も影響している。
本来、生産する側と消費する側との”見える化”した信頼関係があれば、それ以上に必要なものはなにもない。ただ、生産地と消費地との地理的な距離感やオープンなコミュニケーションの難しさなどがあるのも確かで、それをルールという枠組みで整理整頓することで不特定多数にも分かりやすいカタチになる。どちらが正しいかではなく、何を目的にするかでその答えは異なるように感じる。ちなみに、わたしたちさん・らいふは、有機認証に賛同する反面、その認証に縛られない取り組みも歓迎している。

以前、早苗さんがそっとわたしに語りかけた言葉がいまでも忘れられない。
「やっぱり、親が遺した品種は、大切に継承していきたいのよねっ」
短いフレーズには、絶え間ない親への深い愛、継承者としての責任、次世代への責務が宿っていると感じた。同時に、そのストレートな表現は、わたしの心の手帖に「さん・らいふとして何ができるのか!?」という文言が刻まれたのは言うまでもないだろろう。

挑戦に、終わりはない。
いつの時代にも、挑戦者はいる。努力を努力として考えず、その道を極める人。そのような意味において、澤登家が歩む道は、自然が相手であるがゆえに一筋縄ではいかない。ただ、わたしたちの命を支える農業と真摯に向き合いながら、その重要性を伝える役割も担う生き様には、ただ頭が下がる。芳さんとはじめて出会った日、琴線に触れたことで、いまもわたしの道標になっている言葉がある。
「わたしたちはあなたの命を守るので、あなたはわたしたちの生活を守って欲しい」
持続的というカタチには、己のあくなき探究心だけでなく、周りの深い理解と行動が必要だ。

旅の途中 山梨県牧丘町
写真/文 太郎社長(中村太郎)
- 名称
- ワイングランド 葡萄ジュウス(ストレート)
- 内容量
- 720ml
- 原材料
- 自園産有機JAS認証ぶどう(有機・農薬不使用栽培)
- 保存方法
- 冷暗所で保存してください
- 生産地
- 山梨県
- 賞味期限
- 2026年7月
- こちらの商品はヤマト宅急便でお届けいたします。

生産者: フルーツグロアー澤登
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