甘酸っぱく清らかな気高い香味が特徴
収穫次第発送2月中旬~3月末予定
【海抜110m】幻の原種 黄蜜柑(きみかん)

大航海時代に思い馳せて約50年。
幻の原種と言われる「黄密柑(きみかん)」を、ご存じだろうか?
明治初期、鹿児島県市来郷で発見されて品種登録された柑橘だ。その当時は、庭先にしか生えていなかった品種だったのだが、村松春太郎という人物が愛媛県へ持ち帰ったことで、そこから全国へ広がったと言われている。今日、黄金柑・ゴールデンオレンジとして流通する柑橘は、この血を受け継ぐ品種である。

約50年もの歳月をこの地で、化学肥料・化学農薬・除草剤を一切使用しない自然農法で柑橘と向き合う下茂(しも)さん。決して平坦な道のりではなかったのは想像に値するが、私を出迎えてくれた彼の眼差しは、優しさと誠実さが宿っていた。
祖母の生家で幼くして覚えた柑橘の甘酸っぱくも気高い香りが、彼の心にいつも寄り添っているという。その柑橘こそ、今回ご紹介する黄密柑(きみかん)だ。国内に同じDNAを持つ柑橘がないため、一説には、大航海時代に鹿児島を訪れた宣教師が持ち込んだのでないかと言われている。

食べることは、生きること。
下茂さんが若かりし頃、一度は県外で働いた経験があったが、農業への強い思いを断ち切れずに帰郷した。それは、学生時代の辛い思い出があるからだった。ある日、原因不明の体調不調で訪れたたかかりつけ医から、「わたしには、とても手に負えないので他の病院を紹介する」と言われたのだった。そこで、「ヨモギ汁、煎じた糠に塩を少々混ぜたものを白飯にふりかけ、みそ汁だけを1ヶ月続けなさい。それ以外は絶対に口にしてはいけません!」と言われるままに続けた結果、パッと症状が良くなったというのだ。夢でも見ているかのようなこの経験は、「食べることは生きることであり、自然食はとても大切」というその後の下茂さんの人生を左右する出来事となった。

作る人がいないと、はじまらない。
世の中には、たくさんのものが溢れかえっています。ただ、幾らお金があっても買うものがなければ意味がない。そして、作る側の人よりも買う側の人が圧倒的に多いのが現実だと分かった瞬間、「自分は作る側になろう!」と決めたんです。そして、「生き方をしっかりと考えていく際、そこには農業しかない」。 誠実に正直に、生き方そのものを大事にするには、農業以外ないんじゃないかなと思います。そう語る彼の真っ直ぐな気持ちは、就農当時といまでも全く変わっていないのだろうと感じた。

継承は、技術以上に心の整え。
ただですね、初代、二代が継続してはじめて三代目が存在すると思うんですよ。 初代が家を、 二代目が土地を広げ、 三代目まで技術の継承とそれまで培われた土地を利用することで、初めて家系として一つの花が咲く感じます。
三代目までは、言うなれば基礎作りのためのステージ。四代目でやっと目に見える基礎が眼下に広がります。そしてその基礎がちょっと広がっていって、五代目に繋がりますが、その辺で息切れするんですよね。 時代の背景もあるだろうけど、四代目、五代目というのは、物事を知ってるだけじゃダメだぞ、ということを強く自覚できるかがポイント。いくらでも金があるとおごりだしたら、すべては終わりですから。

いま、息子が生まれてからずっと意識しているのは、私がいなくなっても彼が自身の力でしっかり回していけるだけの技術や設備を確立することだと感じています。 選択と集中で、どの技術を遺すのか、ということを日々考えています。伝える側が誤ったことを伝えると代々違う方向へ向かっていく恐れがありますから。なかなか難しいことですが、継承するためには必要なことだと感じています。

誠実さの灯(ともしび)と未来の轍(わだち)
機械による選別が一般的な世の中において、下茂さんは、一つずつ、自身の手と目で選別を行っている。効率や合理性とは無縁の背景には、彼なりの哲学と未来への継承という責任が宿っている。
そういえば、この地域の畑は、非常に珍しい赤黄色の火山灰だ。柑橘との相性が良いため地域の方々は、親しみを込めて”ボッコ土”と呼んでいる。時代のトレンドに流されることなく、その地域に根付いた種を大切に育むことは、自然に逆らわない循環。そして今日もまた彼の柑橘畑は、園主の白息と鼓動を感じながら季節の風を楽しんでいることだろう。

旅の途中:鹿児島県日置市
写真/文 太郎社長(中村太郎)
- 名称
- 黄蜜柑
- 内容量
- 5kg(A品・B品混載)約50~60個
- こちらは産地直送便でお届けする商品です。
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