多汁の在来品種のシーズン終盤に遅摘みしたものを搾汁。よりマイルドになった果汁は、素材の邪魔をしないほのかな香りと味で、料理を引き立たせます。一流料理人が使用するのも納得!
本土最南端の秘境に宿る、希少な在来柑橘の果汁《遅摘み》
次の世代に引き継ぐことが、わたしの願い。
アラスカ生まれ、神奈川育ちの吉田さんがこの地に移り住んだのは、2010年代後半。本土の最南端である大隅半島に位置するこの集落は、鹿児島空港から約2時間強の場所。大学卒業後、幼少期から夢見ていた「海の近くに住みたい」という思いを叶えるために訪れたのが、辺塚地区と言われる限界集落だった。
移住後、近隣の農家さんからもらった柑橘の美味しさに心を奪われ、農業の道を志すことになる。幸いこの地には、非常に希少な在来種の柑橘が自生していた。ちょうど高齢化により手放す予定であった40~50年もの樹々が育つ柑橘畑を引き継ぐことから、農夫としての道がはじまった。

大隅半島のこの地に古くから自生する在来種
普段、わたしたちが目にする柑橘は、生産性やその食味を良くするために育種と言われる品種改良が行われる。また、接ぎ木と言われる手法で、台木となる樹には別の品種を使用する。それにより、耐病性を高める工夫をするのだ。ただその反面、在来種とは、そのような手を一切加わっていない状態で、昔からその地に宿る存在。長年の風土に適しているため、余計な手を入れる必要は全くないほど生育は良好である。自然なままの栽培に適していると言えるのだ。

集落には、おばあちゃんが2人だけ。
吉田さんの畑がある集落には、ご年配の方が2人だけ住んでいるという。周りは壮大な自然に囲まれた風景のため、深呼吸したくなるような解放感がある反面、不便な暮らしと隣り合わせなのはすぐわかった。病院、学校、商店街も何もないのだから。
「わたしが柑橘畑を譲ってもらったように、他の方が移住された時に、わたしも同様のことをしたいと思っています。そのために、畑をもっと増やしたいと考えています。」
吉田さんの横顔からは、へき地での苦労よりも、無限の自由を得た喜びの方が大きいように感じた。

樹肌の美しさと躍動感に魅せられて。
彼の自慢の畑は、海が一望できる山上にあった。穏やかな海風に心が躍る日もあれば、自然の力強さを感じる暴風の時もあるだろう。そんな自然の喜怒哀楽の表情を受け止めながら成長する辺塚だいだいの樹は、とても美しい。柑橘は通常、年数に応じてその収穫量は異なる。年数が経れば、徐々に減少するのだ。それは、柑橘だけでなく他の果物も同様。
ただ吉田さんが寄り添う樹々は、驚くほどエネルギーに満ちているように感じた。収量も減ることなく、現在に至るというのだ。また、化学農薬、化学肥料、除草剤を使用していないだけでなく、驚くことに剪定などの作業も何も一切していないという。完全に、自然な栽培の極みといったところだろうか。それは、あきらかに自然と一体になっているのだった。この風景とともに生きる樹々たち。

「この柑橘は、外皮が薄くて、果汁がたくさんです。」
そう言いながら、わたしの訪問に合わせて準備していた手土産用の袋から1つを取り出し、手渡してくれた。彼のさりげない丁寧な配慮を目にしたことで、きっと近隣の方から深い優しさで迎えられているのだろうと感じた。
確かに、温州みかんのように外皮が薄く、2つに割った中身からは瑞々しい果汁が溢れ出た。食味するには少々早い時期だったが、十分なまろやかさと酸味が印象的だった。地域の方々は、香酸柑橘ということもあり、ポン酢や刺身などに利用するらしい。特に、全国の一流料理人がこぞってこの柑橘を使用する背景には、その素材を邪魔しないこれらの特徴が決め手になっていると感じた。



亜熱帯気候であるこの地区では、南国のよそおいが印象的な風景が広がっている。訪問当日は天候に恵まれたおかげで、波打ち際からどこまでも広がる水平線を眺望しながら、少しばかりロマンチックに異国の地へ思いを寄せる雰囲気になった。もちろん、自然は穏やかさの表情だけが、すべてではないことは分かっている。

ずっと以前からその地域にのみ存在する植物を広く多くの方に知っていただくことは、自然のいとなみを知る上で大切なことだと感じている。そしてそれが環境への意識の広がりへと続くことを願っている。日々の暮らしの中では知りえない静かな美しさを伝えることは、さん・らいふが大切にするthink global, act localの精神が宿っている。

後日、吉田さんから一通のメールが届いた。
「長居をさせてしまったことで、中村さんの次の予定に支障が出たのではないかと心配していました」
彼の優しさは、きっとこの地域の存続を支える存在になると確信した。また、わたしたちも微力ながら彼の小さな応援団としてお手伝いしたいと思う今日この頃だ。

一瓶に願いを込めて。
今回わたしたちは、この在来種の柑橘を使用しやすい果汁にしました。シーズン終盤の2026年初めに収穫したものを、丁寧に瓶詰め。搾汁・瓶詰めの工程は、なかよし福祉会(和歌山県)の福祉事業所にお願いしました。
他の時期に比べて非常にマイルドな味は、さまざまな料理にとても合わせやすいのが特徴です。またレモン好きの方にも、ちょっと違うエッセンスをお楽しみいただけると嬉しいです。

※ 吉田さんの在来柑橘は、GI登録をしている生産者団体に所属した生産者の柑橘ではありません。
旅の途中:鹿児島県肝属郡肝付町辺塚
写真/文 太郎社長(中村太郎)
- 名称
- かんきつ果汁(ストレート)
- 内容量
- 200ml
- 原材料
- かんきつ類(在来種、鹿児島県産)
- 保存方法
- 直射日光を避け、涼しい所に保管
- 賞味期限
- 2027年1月
- こちらの商品はヤマト宅急便でお届けいたします。
- 本製品の製造工場では、オレンジを含む製品を製造しております。アレルゲン(28品目対象)

生産者: 自然農園よしだ
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