身体に溶け込むような、適度な甘酸っぱさと清らかな香りを抱く希少な有機いちご
収穫次第発送
【海抜12m】上村さんの希少な有機いちごと夢街道

農業が好きだから、今がある。
「農業に興味があったので、思い切ってこの世界に飛び込みました!」
早春の澄んだ空が印象的な昼下がり、挨拶もそこそこに、そう切り出した人物こそ、京都で有機いちごを栽培する上村さんだ。皆さんは、有機いちごと聞いて何を思い浮かべるだろうか?農業現場を訪れる機会が多い私たちにとっては、「スゴイ!」の一言しか出てこない。なぜなら、有機認証を取得している農産物自体が極端に少ない日本において、非常にデリケートないちごでその認証を取得することは雲をつかむほど難しい。2010年に新規就農した当初から、夏の野菜作りの冬作としていちごを選び、果敢に挑戦し続けているのが彼なのだ。

たまたまお義父さんが栽培した野菜を食した時の感動と、いずれは農業を生業にしたいという思いが重なり独立したと言います。当初は、有機農業に深い見識がある人物のもとで修行をしながら、その道のイロハを理解。独立直後、自身のトマトに対するアレルギーが判明したことで、食物アレルギーで苦しむ方々のためにも化学農薬、化学肥料、除草剤を使用しない農法へまい進するきっかけになったと言います。
その後、何年も試行錯誤を繰り返しながら、技術と知見を深めていった。「本当、失敗ばかりでした」、そう語る上村さんの一言には、いまの成功からは想像しがたい壮絶な苦労が垣間見えた。またそれと同時に、「農業が好き」という純粋な気持ちが、師匠との素晴らしい出会いを紡ぎ、技術の向上が販路を広げ、その後の人生(みち)に明るい灯となったその生き様に、敬意を表したい。

0.1%と0.002%から紐解く現実。
日本の有機果物の流通量は全体に対して0.1%、有機いちごにおいては0.002%という途方もないほどごく少量である。日本に輸入される有機農産物のトップが果物であることからもそのニーズは、一定数存在する。ただ国産品が圧倒的に少ない背景には、技術的な難しさ、運営コスト、消費者の理解などさまざまな要因が挙げられる。もちろん、農産物の種類、地域の気候によっては、有機栽培が非常に困難な場合も多々ある。高温多湿で病気の被害を受けやすい日本の気候であれば、なおさらだ。ただ、有機市場は世界的に増加傾向であることを考慮すると、日本の極端に少ない割合には何らかの改善の余地があると言わざる得ない。ちなみに上村さんは、日本で10名しかいない有機いちご生産者の一人に名を連ねる。

儲かるのか、そうでないのか!? 大事なことは。
現在、上村さんは、有機農業を教える先生としてもご活躍されている。好きから始まった転職が、気づけば教える側にまでなっているのだから素晴らしい。誰よりも農業を愛する上村さんの教鞭に耳を傾ける生徒は、なんて幸せなのだろうかと思うのは私だけでないはずだ。
ただそのような反面、「最近は、農業をしていてどれくらい儲かるのか!?」という質問を投げかける若者が多いと言う。「本当は、食した人から美味しいと言ってもらえることが農業の醍醐味でもあるのに」、少し残念そうに苦笑いする彼がそこにいた。農業は、その地域や風土によってさまざまな形があるように、農家の心模様によってもその答えは大きく異なる。生業としての仕組みは必要だが、ビジネスを優先させ過ぎると消費者を置き去りにしてしまうのも確かだ。

大切にしたいもの、その答えが土耕栽培。
いちご栽培には、大きく分けて二つの栽培方法がある。近年よく目にするのが、腰よりも高い場所に苗を設置し、養液で栽培する方法。腰を屈めることがないため省力化と容易な栽培設計により多収が見込める高設栽培。もう一方は、腰を屈めながらの土作り、定植、管理、収穫する昔ながらの土耕栽培。作業性は悪く収量も減るがメリットは、養液栽培よりも実の細胞壁が厚くなることで、しっかりした食感と輸送中の傷みが軽減されるというのだ。非効率の裏にある本質的な価値はすなわち、上村さんの農業に対する哲学そのものである。
土作りが美味しい有機農産物を生み出す土台になると信じる上村さんの畑では、一切の動物性肥料は使用せずに、米ぬかなどの植物性を主体に土壌改良を進めている。

めざす味は、生産者が描く生き方。
他の果物同様、いちごも品種や栽培方法によって、その味はさまざまだ。甘さを特徴にしたものもあれば、甘酸っぱさとバランスを大切にしたいちごもある。これらは、生産者が求める方向性がそのまま反映されると言って過言ではない。その狙う方向性によって、何を大切にしながら栽培するのかの目的や手段が異なる。上村さんのいちごを一言で表すと、身体に溶けるような甘酸っぱさと喉ごしの良さが特徴だ。甘ったるく、舌に残るしつこさは全くない。素材本来の優しさがあるため、練乳などを使用せずに、そのまま食することをおススメしたい逸品だ。京都の慣行栽培では46~50回の化学農薬散布を奨励していることを考えれば、上村さんの有機いちごは、”安心”も一緒に楽しんでいただける。

技術は、守るものではなく伝えるもの。
世の中の人々へ、美味しく、希少な有機いちごを届ける上村さんの姿は、とても美しい。ただ一見、”有機、希少性”ばかりに目を奪われがちだが、私は彼の農業に対する真摯な姿勢と食する人への愛に満ちた姿にもっとも心を惹かれた。そしてまた、培った技術を自分で独占するのではなく、広く多くの学びを求める人へ教育というカタチで還元していることだ。
私がいままで出会った尊敬に値する方々に共通することは、他者への奉仕の心だ。自身の壮絶な努力から勝ち得た経験や知識であっても、必要とする人に惜しみもなく与える姿こそ、人としての豊かさであり、魅力ある人間力となって輝く。

夢の終着駅は、もう少し先に。
「駆けてきた農業人生なのですが、最後にもう一つ、大きな投資(チャレンジ)をする予定です!」
そう語る上村さんの頬が緩む。私はあえて、それ以上は聞かなかった。なぜなら、「農業がしたい!」と思い駆け出した彼の農業道の行く先は、ずっと彼方にある。そう、その答え探しはまだ道半ばであると。楽しそうに話す彼の横顔を見ていると、農業を極めながら、少しでも多くの生活者に安定供給と笑顔を届ける彼の天職に、終わりなどないとあらためて感じた。
生活者を思い、家族を慈しみながら、自身の心を大切にする上村さんの夢街道は、まだ始まったばかりだ。
旅の途中/京都府八幡市
文/写真 太郎社長(中村太郎)
- こちらの商品は産地直送クール便でお届けします。
- ・品種は、収穫時に状態が良いものを生産者がセレクトしてお届けいたします。
- ・出荷のタイミングによって、粒の大きさは異なります。もちろん、味には大きな違いはございませんでのご安心ください。
- ・土耕栽培の特性上、実に色むらがありますが品質には問題はございません。
- ・時期により大きさが異なります。2段でお届けの場合がございます。

生産者: かみむら農園
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