驚くほど軽やかで和のエッセンスを感じさせる赤ワイン
菅野 紅 2020( 國津果實酒醸造所)

生産者のいきざまを、そのまま一瓶へ。
先日、あるワイナリーを訪ねた。挨拶もそこそこに、話は自然とワインづくりの哲学へと向かっていった。技術の話でも、受賞歴の話でもない。彼が何を守ろうとしているのか、その一点をめぐる対話だった。
その語り人は、三重県伊賀市にある國津果實酒醸造所の中子さん。

「きれいな味」をつくらない、という選択
「添加物を使えば、ワインはいくらでも均一に、きれいな味に仕上げられます。でも、それをやってしまうと、畑でぶどうを育てる意味そのものがなくなってしまうと思います」
そう語りなががら中子さんが名を挙げたのが、ぶどう栽培家の石部さんという農家だった。目指しているのは、「誰が飲んでも、これは石部さんのぶどうから生まれたワインだとわかる味」だという。多少のオフフレーバーがあっても構わない 。 そのブレない軸は、フランスやスペインで本物のワイン文化に触れてきた彼だから言える信念が宿っていた。大きな資本を投じて、均質な製品をつくり上げる生産スタイルとは、一線を画す。

農家に光を当てる 、「ぶどうと生きる」という試み
中子さんは、石部さんのぶどうを取引当初よりも1.5倍近くの価格で買い入れている。仲介業者を通じて立ち上げた「ぶどうと生きる」というブランドは、農家の名前を前面に押し出すことで、ぶどうそのものの価値を消費者に伝える試みだ。今では複数の醸造所がこの取り組みに賛同し、輪が広がりつつある。ワインを飲むという行為の先に、それを育てた人の顔が見えるようにという思いが込められている画期的な取り組みだ。
屋根を張らない選択肢。
中子さんは、彼自身もぶどう栽培、醸造をするヴィニュロンである。畑ではボルドー液を使用するが完全な無農薬は難しい、と彼は率直に語った。雨に弱いぶどうのために、屋根を張れば無農薬栽培は可能になり、糖度も上げやすくなる。しかしながら温室のような環境では、ぶどうが本来持つはずの複雑な味わいが失われてしまう。だからあえて、屋根を使わない。手間もリスクも増えるが、その代わり畑の個性を残すためには譲れない選択だという。

日本の気候には、日本の品種を。
栽培する品種は、日本の気候に適したものを心掛けているという。皆さんご存知のシャルドネやメルローのようなヨーロッパ系品種は、この土地には合わないという判断しているからだ。
「本場と同じ品種で勝負しても、勝ち目はありません。日本にしかない品種で勝負すべきだと思っています」
その言葉には、ワインに情熱を傾ける彼の生き様が滲んでいるようだった。


一本のワインの原点。
小さな仕込みタンクほど温度管理は難しく、少量であればあるほど手間がかかる。それだけ、それぞれのタンク、ぶどうによって、微細な調整が必要な技術と知見がワイン醸造には不可欠だ。中子さんのように、農家の顔を思い浮かべながら、その一本のワインに精神を集中させる姿には頭が下がる。想いと経営のバランスで彼が目指すのは、「語り過ぎないワイン」。
自然、農家、造り手の信念。
そのすべてが、國津果實酒醸造所のテロワールとなり一瓶に宿している。

- 名称
- 果実酒
- 内容量
- 750ml
- 原材料
- 国産ぶどう(山形県産)、酸化防止剤(亜硫酸塩)
- 保存方法
- 14度以下で保存してください
- 20歳未満の飲酒は法律で禁止されています。
- こちらの商品はクール便でお届けします。
- アルコール度数 10度

生産者: 國津果實酒醸造所
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